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ABSのおすすめフィラメントはこれだ!

ABSのおすすめフィラメントはこれだ!

ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)は、一言で言うと低コストでありながら、高温に耐えられる頑丈で耐久性のある部品を印刷するのに適した素材です。

公式から推奨製品の案内はありますが、国内の入手性や価格のハードルが高く、代用品の有無について知りたい方が多いようなので、記事にまとめました。

ちなみに最終的に私が使用することにしたのは以下の3つです。

これが私のマイベスト!迷ったらこの3つを買おう!

目次

ABSについて知ろう

ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)は、3Dプリンティングの世界で長い歴史を持つ材料です。この素材は、産業用3Dプリンターで使用された最初のプラスチックの一つです。それから何年も経った現在でも、ABSはその低コストと優れた機械的特性のおかげで非常に人気のある素材です。ABSは、その耐衝撃性と頑丈さで知られており、頻繁な使用や摩耗にも耐えられる耐久性のある部品を作成することができます。この理由から、レゴブロックの素材にも採用されています。

さらに、ABSはガラス転移温度が高く、変形を始める前により高い温度に耐えることができます。そのため、屋外や高温環境での使用に適しています。ただし、ABSでプリントする際には、わずかな臭気が発生することがあるため、換気の良い開放的な空間で作業することが推奨されます。また、ABSは冷却時にかなり収縮する傾向があるため、ビルドボリュームやパーツ内部の温度を制御することで、大幅に品質を向上させることが可能です。

長所(メリット)短所(デメリット)
比較的低コストでコストパフォーマンスに優れている
優れた耐衝撃性と耐摩耗性
糸引きや垂れが少なくモデルの仕上がりが滑らか
優れた耐熱性で、屋外用途や高温条件下でも使用可能
冷却時の収縮で、造形中にモデルが反りやすい
温度管理が重要で、エンクロージャーなどが必要
印刷中に特有の刺激臭を発する
冷却に伴う収縮が大きく、寸法精度に影響を与える
ABSの特性と特徴
印刷適性 / プリントしやすさ
※反り、詰まりなどの要因に基づいて評価
80点
剛性 / 硬さ
※材料の曲げにくさを測定する指標
50点
耐久性
※熱、疲労、水分、紫外線、化学物質への耐性の組み合わせ
80点
最大使用温度
※荷重がかかった状態で材料が変形し始める最大温度
98℃
価格1,500円~6,000円
密度
※他の材料と比較してどれだけ重いか(軽いほど高評価)
1.04g/cm3
飽和吸水率(25℃, 55% RH)
※空気から水分を吸込む能力。値が高いほど水分を吸収する能力が強くなる
0.65%
使用前に乾燥推奨
乾燥条件フィラメントドライヤー:80℃, 8時間
X1Cヒートベッド:90~100℃, 12時間
焼きなまし(アニール)
※印刷後に一定温度でモデルを加熱し続けることで、内部応力の解放、機体的性能と耐熱性能を向上させる
80~90℃
6~12時間

ABSの詳細については、以下の記事をご覧ください。

\ これが私のマイベストPETG! (大声)/

eSUN ABS

長所

  • 定着の良さと反りの少なさ
    過去に試したお値打ち価格のフィラメントの中でもトップクラスの性能を誇ります。出力の安定感があり、変なにおいもありません。特に白色フィラメントでも焦げ付きがなく、安心して使用できます。
  • 価格の魅力
    通常価格でもリーズナブルですが、頻繁にセールが開催され、2000円弱で購入可能。稀に1500円程度になることもあり、コストパフォーマンスが非常に高いです。
  • 出力の安定性
    我が家では安定して良好な出力結果を得られています。モデル形状によって剥がれが発生する場合もありますが、全体的に信頼性の高いフィラメントです。

短所

  • カラーバリエーションの少なさ
    定番の黒、白、ナチュラル、グレーに加えてブルー、パープル、銀色がありますが、鮮やかな赤やオレンジ、黄色といった暖色系の選択肢がない点が残念です。
  • ABS+との混同に注意
    同じ販売ページにある「ABS+」は価格が高いため、間違って注文しないよう注意が必要です。

総評

このABSフィラメントは、安定性とコストパフォーマンスに優れ、初心者から上級者まで幅広くお勧めできる製品です。特にセール時の価格は魅力的で、コスパを重視するユーザーには最適です。一方で、カラーバリエーションの少なさや環境要因の調整が必要な点があるため、これらを許容できる方には最適な選択肢となるでしょう。

インクフルサポート ABS

あまりにも怪しすぎて迂闊に手を出せない謎ブランド。ですがABSが1500円弱は流石に無視できないコスパ最強フィラメントなのでご紹介します。

ギラギラしすぎないほどほどの光沢感で案外悪くないです。若干の造形乱れはありますが、ABSの試作用途として考えればかなーり良いフィラメントです。巻きが汚いことによるエラーが心配ですが、画像ほど悪くはないのでお試しください。
ただし色味はサンプルとかなり異なりますのでそこは期待しないでください。商品画像でピンク色に見えるフィラメントがフーセンガムのごとき紫色で届いたりします。まあ商品名はpurpleなので間違っていないと言えばそうなんですが。

長所

  1. 価格の魅力
    セール時のeSunよりもさらに500円安く、コストパフォーマンスが抜群です。安価ながら標準的なスペックを備えており、この価格でまともに使えるのであれば儲けものと言えます。
  2. 出力結果が安定
    プリントしたパーツは寸法精度も十分で、表面はやや荒れが見られるものの、実用には十分な精度。収納グッズなど実用性のあるパーツを問題なく出力できました。
  3. 標準スペックのフィラメント
    温度設定は230℃(ノズル)と100℃(ベッド)で、一般的なABSと同様の設定で使えます。特殊な調整を必要としないため、初心者でも扱いやすいです。

短所

  1. カラーバリエーションの少なさ
    商品ページでは20色展開とうたっていましたが、実際には6色のみ。選択肢が限られており、特に鮮やかな色が不足しています。

総評

低価格ながらも実用性に優れたABSフィラメント。初心者でも扱いやすく、標準スペックで安定したプリント結果が得られる点が魅力です。一方で、スプール設計やカラーバリエーションの少なさなど、小さな不満点もあります。しかし、価格を考慮すれば十分にリピートする価値があるフィラメントと言えるでしょう。特にコストパフォーマンスを重視する方におすすめです。

他メーカーのABSのみんなの評価

ポリメーカー(Polymaker) PolyLite ABS

CC3D ABS

ABS使用のポイント

ABSフィラメントの成功のカギは「環境温度の管理」です。

  • 温度管理
    プリント環境の温度を高めに設定することで成功率が向上します。冷却ファンは基本的にオフ推奨ですが、オーバーハングが多いモデルでは部分的に使用するのも良いです。
    特に冬場の寒い季節ではエンクロージャー付きの3Dプリンターであっても外気によって造形中に冷えていってしまいます。周囲温度を高める工夫をしてプリント成功度を高めましょう。

周囲温度を高める用途として3Dプリンターをすっぽり囲めるほど大きいパネルヒーターはなかなか無いのですが、私が使っている『YUSIDO パネルヒーター』の『大きいサイズ』がBambu Labとピッタリです。温度調節85℃とかなり高い温度に調節でき、9時間のタイマーに対応しているのも3Dプリント用途にはうってつけの性能です。

これがBambu Lab X1Cに『YUSIDO パネルヒーター』の『大きいサイズ』をセットした状態です。Bambu Lab X1CだけでなくAMSも覆えるサイズでジャストフィットしているのがとても良いです。私は冬場はプリント開始と同時に『YUSIDO パネルヒーター』のスイッチをONにして周囲温度を温めています。

こちらはBambu Lab A1にセットした状態です。Bambu Lab A1は可動部が露出しているので多めに隙間を持たせたいので、『YUSIDO パネルヒーター』を5度ほどハの字に開いた状態でちょうどよくなります。Bambu Lab A1より小さいBambu Lab A1 miniなら問題なく覆えるでしょう。

  • サポートの活用
    出力が難しい場合はサポート材の使用を検討すると良いでしょう。

\ 自分に合うのはどれ? /

ABSフィラメントのおススメまとめ

いかがだったでしょうか?この記事をきっかけに良いフィラメントに出会えていたら私も嬉しいです。

自分に合ったフィラメントは見つかった?これで快適な3Dプリントライフを!また何かわかったら共有するね。サラダバー!

安全には気をつけるんじゃぞ👍

これが私のマイベスト!迷ったらこの3つを買おう!

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この記事を書いた人

Bambu Labによるマルチカラープリントが得意
Boothにて3Dプリントグッズを販売しています(現在月2万の売り上げ突破)
今までの技術を詰め込んだ最高のサンプルカード(パレットカード)設計
全メーカーのフィラメントのカラーバリエーションと特性を1か所に集めて検索できるフィラメントリスト作成中

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