3Dプリンターコミュニティで長らく愛されていたダイソーの300円容器が生産終了になってしまい保管容器をどうしようか迷っている筆者です。この記事では私が情報を仕入れたフィラメントケースを紹介したいと思います。商品が届いて検証し次第情報を追記していく形を取ろうと思います。
コスパ面では『フィラメント圧縮袋』がおすすめです。界隈で定番で改造MODが豊富な『イノマタ化学 乾物ストッカー』もおススメです。
コスパ最高

定番商品

フィラメントケースに適した素材&サイズはこちら
ダイソーの密封容器はケースがポリプロピレン、パッキンにシリコン(シリコーンゴム)が使われています。シリコンは分子間隙が大きく、ガスや水蒸気分子が拡散しやすい構造のため透湿性が高い(水蒸気透過率が大きい)です。
液体の密封には優れるけど、ガスバリアには不向き
一般的なスプールサイズは直径19.7cm×厚み6.5cm
フィラメントスプールはだいたい最大直径20cm×厚み7cm、梱包箱は最大22.5×22×8cm(1kg時)です。この数値以上の内寸であれば問題ないでしょう。
樹脂ケースは製造上の型抜きの制約から高さ方向に抜き勾配が付いているので、底面のサイズで考えるように注意しましょう。
✅ 水蒸気透過率(WVTR)比較表:代表値(23℃、RH85%、100μm換算)
保管ケースの素材としてよく使われる代表的な素材の水蒸気透過率を表にしました。表の上にある方の素材で構成された保管ケースを選定すると良いでしょう。(パッキンにシリコンが使われていてもちゃんと乾燥できます。シリカゲルの吸湿が他の素材より比較して早いかもなー…くらいとお考え下さい。)
材料 | 水蒸気透過率 (WVTR) [g/m²·day] | コメント |
---|---|---|
スチール(鉄鋼材) | 0(理論値) | 金属は水蒸気透過なし(完全バリア材) |
PETアルミ蒸着 | 0.5以下 | アルミ層により極めて高いバリア性 |
ブチルゴム(IIR) | 0.5–2 | ゴム材料中トップクラスの低透湿性(高バリア) |
PET(ポリエチレンテレフタレート) | 5–10 | PPと同等またはやや良好。包装フィルム用途多数 |
ポリプロピレン(PP) | 5–10 | PEよりバリア性やや高い |
HIPS(ハイインパクトポリスチレン) | 10–15 | ポリスチレンよりやや高い耐衝撃性。透湿性はPEと同程度、中程度バリア材。 |
ポリエチレン(PE) | 10–20 | 一般的包装用。中程度バリア性 |
発泡ポリエチレン(発泡PE) | 10–30 | 発泡率により透湿性増大。非発泡PEより劣る |
PA(ナイロン6) | 10–30 | 吸湿性により変動。乾燥時は比較的良好 |
シリコーン(シリコンゴム) | 500–2000 | 透湿性が非常に高く、バリア材には不向き |
MDF(中密度繊維板) | 非常に高い(数百~数千) | 木質系で吸湿性が高く防湿用途には不適※化粧板の場合表面材は5-10程度 |
スプールサイズのフィラメントケース
漬物容器
フィラメントスプールと同じ丸型なので形状としてピッタリです。この容器をAMS Liteにくっつけて乾燥保管機能を持たせる方法が流行っています。
スプールが横置きになるのでローダー機能を持たせて3Dプリンターへ直接フィラメント供給したいといった場合にはちょっと手間かと思います。


\ 安価でそれなり精度の界隈の定番品/

メーカー | ![]() リス | ![]() 新輝合成 |
価格 | \581 | \613 |
高さ | 130㎜ | 130㎜ |
テーパ | 5° | 10° |
内底直径 | 204㎜ | 195㎜ |
ふたの密封(シーリング高さ) | 11㎜ | 9㎜ |
容量(乾燥する容量) | 4.4ℓ | 4ℓ |
その他原点要素 | 最小要素のみ | 取っ手、ふたの突起 |
スタック性 | 底部とふたの形状がフィットする | 底部とふたの形状がバラバラ |
透明性 | 本体より若干乳白色 | 本体と同じ透明性 |
特徴 | 丸形のフィラメントケースとして理想的 丸形を買うならコレ一択! | 漬物容器としては便利な要素が多いのだがフィラメントケース用途としては余計なものに感じる |
左側がリス、右側が新輝合成の漬物容器です。高さは同じ、テーパが左の新輝合成は強いため、底面がスプール径より小さくなっておりスプールが浮いています。
ふたの厚みは左のリスの方が厚い分シール効果が高くなっています。
突起物は新輝合成の方は取っ手があり、ふたのつばも大きいのでフィラメントケース用途では邪魔になる要素だと思います。

リス
底部とふたの形状がフィットするので綺麗に積み上げることができる

新輝合成
底部とふたの形状に遊びが大きいので積み上げ時に軸がガタつく

横置きしたときもテーパの少ないリスの方が幅を取らずに綺麗に置くことができる。

イノマタ化学 乾物ストッカー
代替品としてよく第一候補に挙がっているイノマタ化学の乾物ストッカーです。底と上部のふたはクリアタイプもあります。
広く日本ユーザーがいるので好みのカスタマイズMODでローダー機能や湿度計置き場といった機能を追加しやすいです。※加工の手間はあります。

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3Dプリンター用フィラメント乾燥箱
フィラメント乾燥箱から直接3Dプリンターにフィラメント供給できる3Dプリンタ用フィラメント乾燥箱です。
イノマタ化学の乾物ストッカーを3Dプリンタ用フィラメント乾燥箱として最適化した状態で売っている商品といった感じです。イノマタ化学の乾物ストッカーと比べ小さめで、よりフィラメントスプールにマッチしたサイズ感です。ふたもぎゅっとはめ込むタイプではなく4方をバチンと止める方式なのも扱いやすくて良い点です。
温湿度計が最初から付属しているので別途揃える手間が無い点、3Dプリンタ用フィラメント専用なのでローダーの口をふたすることが可能な点が特に良いです。
労力をイノマタ化学の乾物ストッカーを3Dプリンタ用フィラメント乾燥箱としてカスタムする場合、労力や材料費もろもろを考えるとかなりコストパフォーマンスが高い商品だと感じます。
軸部のベアリングがフィラメントロード時に回転しすぎてフィラメントが若干緩むかもしれないのが気になります。グリスを差すかスペーサーをプリントして入れ替えて抵抗を付加してしまうと良いかもしれません。

複数まとめて入れる大容量フィラメントケース
ナカバヤシ ドライボックス
一眼レフカメラを乾燥状態で保管するためのケースです。フィラメントスプールはだいたい直径19.7cm×厚み6.5cmなので幅27cm×奥行48.6cm×高さ30.6cm(内寸25cm×41cm×23.5)のナカバヤシ ドライボックスではフィラメントスプールが6本入る計算となるので、1本あたり400円弱という高パフォーマンスで乾燥させることができます。さらに湿度計が付属し、ふたもワンタッチで開閉しやすい、さらに積み重ね可能な構造となっています。
フィラメントスプールをまとめて保管するタイプでは1番良いものだと思います。

JEJアステージ シールドコンテナ
ナカバヤシのドライボックスと同様に人気なのがJEJアステージのシールドコンテナです。アマゾンレビューではふたの強度が低く密閉状態が弱い等の意見がありますがこちらも人気のようです。

フィラメント圧縮袋
圧縮袋のセットです。20枚入りなので1枚当たり100円と考えるとコストパフォーマンスはピカイチかと思います。
圧縮袋に付属しているような中途半端な強さの電動ポンプだと吸引に1分以上かかるので、手動ポンプ式がオススメです。
このタイプを使用する方は袋内に大量のシリカゲルを入れることができないこともあり化学吸湿剤タイプの即効強力乾燥材を愛用している人が多いです。
紙スプールの場合圧縮する際にふちが曲がってしまうことがあるので注意が必要です。
私は重ね置きやフィラメント種類の判別が大変そうだと思い敬遠していましたが、ラック式の保管棚を使用して立てて保管すると利便性や面積効率が向上してすごく良さそうだと思いました。
\ PA(ナイロン6)⇒10–30+PE(ポリエチレン)⇒10–20/

フィラメント圧縮袋とセットで使いやすい乾燥剤
ランニングコストに目をつぶれるならシリカゲルタイプではなく化学吸湿剤タイプの即効強力乾燥材もオススメ


コストパフォーマンス面でよく使われるのはこちら
自分に合ったフィラメントケースは見つかった?これで快適な3Dプリントライフを!また何かわかったら共有するね。サラダバー!

安全には気をつけるんじゃぞ👍




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