プラモデルに使われている素材は、ほとんどが塗装可能ですが、キットに含まれる中には塗装が難しい材質も存在します。
このような難塗装材質は、ジオラマ製作などでキット以外の材料を使用する場合にも影響を及ぼします。
今回は、これらの「塗装が難しい材質」と、塗装方法について詳しく解説します。
塗装の難しい材質
プラモデルの取扱説明書には、各パーツの材質が記載されています。そこを確認すると、ひとつのプラキットにはPSやABS、KPS、PETなど、さまざまな材質が使われていることが分かります。その中でも、特に塗装が難しいのはPVC(ポリ塩化ビニル)やPE(ポリエチレン)です。
- PVC(ポリ塩化ビニル): 美少女プラモデルの軟質ハンドパーツに使用されます。
- PE(ポリエチレン): ガンプラのポリキャップに多く使われています。
これらの軟質素材は、以下の理由から塗装が難しいとされています。
塗装の難しさの原因
塗膜が剥がれやすい
PEはビニール袋などに使われる素材で、水をかけても撥水する特性があります。そのため、塗料を乗せても弾かれてしまい、塗装が定着しにくいのです。
通常、塗料は顔料を含んでおり、対象に食いつくことで剥がれにくくなります。しかし、ポリキャップやPEのパーツには塗料が食いつかず、簡単に剥がれてしまいます。
塗膜が変形に追従しない
PVCやPEは軟質素材であり、力を加えると変形します。これに対して、塗料の顔料成分は柔軟性がありません。そのため、通常の塗装を施すと、塗膜が割れたり剥がれたりしてしまいます。
これらの点から、塗装が難しい材質であると言えます。普通に模型用の塗料を乗せて乾かすだけではうまくいきません。
塗装方法
では、どうすればこれらの材質に塗装ができるのでしょうか。
プライマーを使う
プライマーは、塗装下地を作るための重要な道具です。サーフェイサーが表面を整えるのに対し、プライマーは「塗料が対象に食いつきやすい面を作る」役割があります。イメージとしては、塗料用の接着剤と言えます。
- 使用方法:
- 塗装前にプライマーを缶スプレーで吹き付ける
- その上から塗装を行う
プライマーの乾燥時間は製品によって異なるため、使用法をよく確認してください。また、金属用やナイロン用など、プライマーの種類も多様なので、適切なものを選ぶ必要があります。
染料系の塗料を使う
通常、模型用の塗料は顔料を溶剤で溶いたものですが、塗膜を形成しない染料系の塗料を使う方法もあります。
染料はパーツを染めるため、塗膜が形成されず、変形に強い特徴があります。
- メリット:
- 塗膜が形成されないため、パーツの変形に追従する
- 塗料がパーツ自身に染み込むため、剥がれにくい
- デメリット:
- 元のパーツの色が強い場合、染まらないことがある
- 塗装環境を整えるのが難しい場合がある
塗装手順
以下に、染料系塗料を使用した塗装手順を示します。
必要な道具
- 染料系塗料(染めQ、SDN染料など)
- 温度計
- 鍋(食品用と分けること)
- お茶パックや洗濯ネット
- テスト用パーツ(ランナーなど)
塗装方法
- 鍋に水を張り、染料を規定量入れます。(例: SDN染料の場合は5%程度)
- コンロで温め、60〜70℃を維持します。
- パーツを袋に入れ、規定の時間鍋に入れます。
メンテナンスと持続性
最後に、塗装後のメンテナンスについても触れましょう。塗装後は可動部分をチェックし、必要に応じて補修を施します。また、直射日光を避けて適切な環境で保管することが、塗装の劣化を防ぐために重要です。
保存方法
湿度や温度の変化に気を付け、安定した環境で保管する
\ どれにするか決まった? /
最後に
今回の内容では、塗装が難しい材質について、特にPVCやPEといった軟質素材に焦点を当てました。
これらの素材は、柔軟性の高さから塗膜が剥がれやすく、通常の塗装方法ではうまくいかないことが多いです。そのため、プライマーや染料系塗料を使用することが重要です。
特にプライマーは、塗装下地を整え、塗料の定着を良くするための役割を果たします。また、染料系塗料は、パーツを染めることで、塗膜の剥がれやひび割れを防ぎ、柔軟性を保つことができます。
最後に、塗装には準備や注意が必要ですが、正しい手順を踏むことで、素晴らしい仕上がりを得ることが可能です。皆さんも、ぜひこれらの方法を試してみて、理想のプラモデルを完成させてください。今後も塗装や模型製作に関する新しい情報をお届けしていきますので、次回もお楽しみに。
皆さんも良き塗装ライフを!ではサラダバー!
安全には気をつけるんじゃぞ👍
コメントはお気軽に!