3Dプリンターでキーホルダーを製作してみたけど積層痕の表面粗さや質感がちょっと安っぽい…もっと市販品のように高級感を出す方法はないの!!とお嘆きのあなた!それ私も思いました!そして開発しましたよ3Dプリンターのザラザラ表面にツヤツヤ表面処理をして1ランク上の高級感を付与するテクニックを!ここまでたどり着くのにかかった苦労と私の達成感を十分見てってそして見本として買ってってくださいよ!それでは3Dプリント×UVレジンキーホルダーのメイキングをどうぞー!!
メイキングオブ3DプリンターとUVレジンで製作するツヤツヤキーホルダー
まずは3Dプリントしたキーホルダーを用意します。その作り方は今回の本旨ではないので割愛しますがその作り方も知りたいって方が多ければ別途メイキング記事を作成しますので教えてください。
今回は軽く色の違いに合わせて別ボディでボディ製作してマルチカラープリントしたものを表裏用意して瞬間接着剤で貼り付けましたとだけ説明しておきます。
UVレジンを塗って固めるまでの一時的な持ち手を両面テープで貼り付けます。持ち手は置いてUVライトで硬化する際に表面が平らになり、端面にこれから塗るレジン液と接触しない形状であればよいです。
表面張力でUVレジン液が乗りづらいエッジ部にレジン液を薄く塗ります。
端面を塗りたいわけではなく、エッジ部の表面張力が働かないようにするのが目的です。
量が多いと液だれしてしまうので、キャップに付いた液をこすりつけるように塗るのがポイントです。
裏側に液だれしてしまった場合の失敗例
液だれしたら裏面にこのような液だまりが出来てしまいます。こうならないようにUVレジン液が溜まらないように薄く塗り重ねるようにしましょう。
ふちに溜まったUVレジンを中央に向けて伸ばし広げるようにして塗っていきます。
エッジ部にUVレジン液が溜まると側面から流れて裏面に回り込んでしまうので、表面の中央にUVレジン液を出してエッジ部のUVレジンと繋げるようにエッジ部から中央へと伸ばし広げます。
キーチェーン穴付近へも中央側からUVレジン液を伸ばし広げます。
キーチェーン穴のエッジにUVレジン液が溜まりすぎると穴へとUVレジン液が穴へと流れ落ちて膜を張ってしまうのでUVレジン液が溜まらないように注意してください。
※UVライト照射直前に竹串でUVレジン液をつついて調整するので、この段階では大まかに塗れていれば問題ありません。
このような感じになればいったん完成です。この後調整へと入っていきます。
複数まとめてUVライトで硬化させるため、今までの工程を繰り返してトレイシートへと並べていきます。
竹串やつまようじで目立つ気泡を取り除いたり、UVレジン液が載ってない箇所へ塗り広げます。この時光の反射を利用すると問題箇所を見つけやすくなります。
※竹串の代わりにつまようじでも大丈夫です。竹串の方が持ち手が太く長い分持ちやすいのが竹串を使用した理由です。
調整作業が完了したらすぐにトレイシートをUVライトへと入れます。
※3Dプリント品の隙間に溜まった気泡が浮かび上がる前にUVレジン液を固めてしまいます。
ふたをしっかり閉じたら、72Wで120秒にセットして照射開始します。
UVライトの照射が終わったら取り出して確認してみましょう。
小さな気泡が浮いている物もありますが、これは3Dプリント品自身が空気を含んでいて、時間の経過とともに気泡が浮かび上がってきてしまうので完全に無くすことは難しいです。光の反射でようやく発見できるような小さな気泡はこの後の工程で気にならなくできますので問題はありません。
UVライトの照射終了直後はUVレジンが熱を持ち柔らかくなっており、ペタペタと若干の粘着感がある状態で傷がつきやすい状態です。埃の被らない場所で1時間ほど休ませましょう。
STEP2~STEP11を繰り返して裏面も同様にUVレジン液を塗って固めて下さい。
トレイシートを持って塗装できる場所に移動します。
両面をUVレジンでコーティングした状態がこちらです。このようにツヤツヤの表面になりました。ここからトップコートを吹いて完成させていきます。
UVレジンを塗る際に使用した持ち手はもう要らないので剥がして表面をきれいに拭きます。
針金で塗装時の持ち手兼乾燥時の吊り下げを作ります。
私はマグネットで塗装ブースの天井にぶら下げる想定なので針金を使用しましたが、ひもを通して洗濯ばさみで吊るなどでも問題ありません。
吹き始めはスプレーの粒子サイズが安定しないので、対象にかからない位置から吹き始め、スプレーを対象の左右に通過させつつ吹き付けていきます。どの程度ツヤ感を残すかによって要調整ですが、私は5回通過させました。
今回使用したトップコートはマットクリアですが、これには以下の目的があります。
- 対象の気泡が目立ちにくくなる
- 対象の傷が目立ちにくくなる
- 表面がレジン硬度からトップコート硬度になり傷がつきにくくなる
- UVレジンのぺたぺたしたさわり心地からマットのさらさらしたさわり心地になる(好み)
- ギラギラした光の反射が抑えられ落ち着いた拡散光になる(好み)
乾燥していない状態で塗装を重ねすぎると液だれしたりボテっとした見た目になってしまうので、1度乾燥させます。
側面へ塗装が乗っていないことが気になったので側面へも塗装をします。スプレーも側面へ塗装が乗るように縦方向に動かします。私はササッと6回通過させました。
完成品がこちらです。
左がマット塗装をしたもの、右がUVレジン塗装まででトップコートしなかった状態です。ツヤ感に結構差がありますね。
使用したオススメアイテム
SK本舗 UVレジン液 アシェンプテル
使用したUVレジンはこちらのSK本舗 アシェンプテルです。【A】と【B】はただパッケージが違うだけなので好みの方を選びましょう。アシェンテプルは気泡抜けが段違いに良く初心者でもすごくきれいな仕上がりにできます。低粘度でぷっくりと表面張力が働くくらいで厚みがある塗り面を作ることができ、UVレジン液がたれにくいのでコントロールしやすく3Dプリントの積層の隙間からしみこんでいかないくらいの粘度があります。
今回試したUVレジン液がこちら。ドボンとドブ浸けする超低粘度のKirariも試してみましたが、3Dプリントの積層の隙間からしみこんで3Dプリント品を覆う厚みが形成できないし、竹串で気泡を取り除く手法が使えない、底部に液だまりが発生するので部分的に膨らんでしまい綺麗な面が作れませんでした。
SK本舗 UV-LEDライト キュアリティ
UVライトにはこちらを使用しています。クラフトレジンアクセサリー作りに最適化された365 nmと405nmの波長に対応したLEDが天井、側面に配置され、ミラーの反射も合わせることで全周むらなく硬化できる庫内となっています。
蓋付きミラートレイシートが付属しており、ミラーによりUVライトの光を反射してより効率的に硬化が可能です。 また金属プレートは蓋としても利用でき、ライト照射中に直接目に紫外線があたるリスクが軽減します。
ワット数を切り替える機能があり、シリコンモールドを傷めない様に硬化始めは48W、しっかり硬化したい時は72Wなど、用途に合わせて出力切替が可能です。
タイマーも30秒、60秒、120秒、1時間から時間を選べることができ、カウントダウンが画面に表示されるので秒数を管理することもできます。
ネイル用のUVライトによくある庫内入口の赤外線センサーがないので、UVライトが自動で点灯せず、焦らず作品をじっくり整えてからライトの点灯が可能です。
ホルツ つや消し仕上ペイント(マットクリア)
トップコートとして使用しているのはカーペイント用のメーカーであるホルツのスプレーです。今回キーチェーンを作るにあたりカー用品向けやフィギュア向けの有名どころを比較検証してみましたが、3Dプリンターを用いたアクセサリー向けには粒子が大きいトップコートの方がベースの表面粗さや微細な隙間を覆い隠せるのできれいに仕上がるという事で最終的にこのトップコートを使うようになりました。
今回試したトップコートがこちら。フィギュア向けであれば水性プレミアムトップコート一択といっていいくらい信頼と実績があるのですが、3Dプリント品はフィギュアと比較すると表面が粗く、積層する中で隙間も生まれるのでUVレジン表面がきれいな平面とはいかず、きめ細やかな粒子の水性プレミアムトップコートでは相性が良くないという結果になりました。
左上のボデーペンはホルツと比べても遜色なく、チビカンというコンパクトサイズのラインナップもあるのでトップコートをお試ししてみたい人にオススメです。
※Amazonではマットは無くクリアーのみです。
まとめ
今回使用したものをリスト化しました。同じように作ってみたい方は参考にしてください。
これが今回使用したものリストです!
いかがだったでしょうか?この記事をきっかけに良いモノづくりになる参考になったら私も嬉しいです。
それでは快適な3Dプリントライフを!また何かわかったら共有するね。サラダバー!
安全には気をつけるんじゃぞ👍
今回製作したのはこちら。よかったら参考に買ってって―📯
コメントはお気軽に!